弔電を送る際、宛名をどのように選ぶべきか迷ったことはありませんか?
特に、喪主以外の方へ送りたい場合、正しい宛名の選び方や適切なメッセージを知っておくことは非常に重要です。この記事では、喪主以外の方に弔電を送る際の宛名の選び方から、具体的な文例までをわかりやすく解説します。
弔電の宛名は喪主以外でもよいのか?
そもそも、弔電は喪主宛に送るのが一般的です。喪主以外の人に送ることができるのでしょうか?まずは、弔電の宛名に関する基本的なルールを確認してみましょう。
弔電の宛名は喪主にするのが基本
通常、弔電は喪主宛に送るのが一般的です。これは、弔電は遺族に対して弔意を示すために送るものであり、喪主はその遺族の代表者となるからです。
宛名には喪主名(フルネーム)を記載します。弔電は通夜や告別式の会場に届けられることが多く、斎場では喪主や故人の名前で葬儀の管理が行われているためです。
そのため、斎場が認識していない宛名の弔電が届くと、担当者が混乱してしまい、最悪の場合、宛先不明となり受け取ってもらえなくなることも考えられます。
喪主名を宛先にすることで、確実に受け取ってもらえるだけでなく、弔電が披露される場で読み上げられやすくなります。
弔電の宛名を喪主以外にすることも可能
弔電は通常、喪主宛てに送るのが基本ですが、喪主が直接の知り合いでない場合もあるでしょう。例えば、友人の父親が亡くなり、長男が喪主となっているが、次男である友人宛に送りたいと考えることだってあります。
このように、喪主以外の知人に弔電を送りたい場合、宛名の書き方に注意すれば、その知人を宛先にすることは問題ありません。ただし、知人の名前だけでは弔電が届かないこともあるため、正確な宛名の記載が重要です。
弔電を喪主以外に送るときは「様方」をつける
「様方」とは、郵便物の宛名が世帯主と異なる受取人に対して使用する表現です。例えば、吉田さんの家に斉藤さんが滞在している場合、斉藤さん宛の郵便物には「吉田様方 斉藤様」と書きます。
弔電の場合、喪主と受取人が異なるときに「様方」を使うことで、失礼がなく確実に届けることができます。知人の名前だけで送ると、受取先での混乱を招く可能性があるため、必ず喪主と受取人の両方の名前を記載するようにしましょう。
弔電の宛名の例としては、次のように書きます。
「喪主の名前」様方
「届けたい人の名前」様
もし故人の名前はわかるが、喪主の名前がわからないときは
[故人の名前 様 ご遺族]様方
[届けたい人の名前] 様
このように記載することで、斎場に正しく届き、確実に受取人に読んでもらえるでしょう。
喪主以外に弔電を送るときの文例
弔電の文面を作成する際には、故人との関係に応じた内容にすることが重要です。喪主以外に宛てる場合でも、この基本的なルールは変わりません。
しかし、いざ文章を考えるとなると、何をどのように伝えればよいか悩んでしまうこともあるかと思います。
そこで、弔電を送る際の具体的な文例をいくつかご紹介いたします。
友人宛ての例文
「このたびのご母堂(ご尊父)様のご逝去に際し、心よりお悔やみ申し上げます。あなたにとって大切な方を失い、深い悲しみを抱えていらっしゃることと存じます。ご家族の皆様のご健康と、心の安らぎが訪れることをお祈りいたします。どうかお力を落とさぬよう、ご自愛ください。」
定型文の使用について
一般的な定型文を使用することももちろん可能です。しかし、友人宛てに送る場合には、個別の関係性や故人との思い出を反映させた文面を含めると、より心のこもったメッセージとなります。
友人がその弔電を受け取ったときに、特別な思いを感じられるよう、多少のカスタマイズを加えることをおすすめします。
定型文の使用は無難で失礼がないものの、個別に言葉を選んだほうが、より温かみのある印象を与えることができます。
弔電の宛名を喪主以外にする際に気を付けたいマナー
弔電を喪主以外の方に送る場合、通常のマナーとは異なる注意が必要です。宛名の書き方や敬称の選び方に誤りがあると、遺族に対して失礼になるだけでなく、斎場での混乱を招く可能性があります。ここでは、弔電を喪主以外の方に送る際に特に気を付けたいマナーについて説明します。
敬称の使い方に注意する
弔電の文面では、故人に対して適切な敬称を用いることが一般的です。敬称とは、相手に敬意を示すための表現で、故人との関係性を表す言葉として使用されます。
通常は、喪主が弔電を受け取るため、喪主からみた故人の続柄に基づいて敬称を決定します。しかし、弔電を喪主以外の方に送る場合は、その友人からみた故人の続柄に合った敬称を使用する必要があります。
以下に、受取人から見た故人の続柄に応じた敬称の例をまとめましたので、参考にしてください。
- 父親:お父様、ご尊父様
- 母親:お母様、ご母堂様
- 夫:ご主人様、ご夫君様
- 妻:ご令室様、ご令閨様
- 兄弟:ご令兄様、ご令弟様
- 姉妹:ご令姉様、ご令妹様
- 息子:ご令息様、ご子息
- 娘:お嬢様、ご息女
- 甥:甥御様
- 姪:姪御様
忌み言葉や重ね言葉を避ける
弔電の文面では、不幸を連想させる忌み言葉や、重ね言葉を使用しないように注意することが大切です。また、故人やご遺族の宗教的背景によって避けるべき言葉もあります。
悲しみを伝える弔電で不適切な表現を使ってしまうと、遺族に不快な思いをさせる可能性があります。文面を作成する際は、慎重に言葉を選びましょう。
以下に、避けるべき言葉の例を示しますので、参考にしてください。
- 忌み言葉:
死、四、九、苦しむ、追って、ご生在中、とんでもないこと - 重ね言葉:
再三、再び、またまた、たびたび、重ね重ね、ますます、繰り返す、つくづく、重々、様々、続いて - 仏教の忌み言葉:
迷う、浮かばれぬ - キリスト教・神道の忌み言葉:
成仏、供養、合掌、仏、弔う、冥福、往生、ご愁傷様
喪主以外に弔電を送る際のポイント
通常、弔電は喪主宛に送られるものですが、状況によっては喪主以外の方に送ることも可能です。その場合、ご遺族や斎場に混乱を生じさせないために、適切な宛名の書き方や注意点をしっかりと押さえておく必要があります。
弔電を準備する際は、宛先だけでなく、文面や差出人の情報にも注意を払うことが大切です。今回ご紹介したポイントを確認し、ご遺族に対して失礼がないよう、弔電の手配を進めていきましょう。
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