豆知識

右に出る者はいないの意味はなに?なぜ右というその訳を解説

2020年12月28日




右に出る者はいない、の意味はある分野において、その人の実力が最も優れている、傑出しているということです。

中国の故事に出てくる「無出其右」という言葉が元になっています。

「無出其右」とは中国前漢の武帝の時代に司馬遷によって編纂された中国の歴史書「史記」の「田叔列伝」にでてきます。

そのまま読めば、「ない・出る・その・右」つまり「その右に出る者はいない」です。

その実力が優れていることを評して色んな場面で使いますよね。

A:この契約を上手くまとめ上げるとは大したもんですね。
B :そりゃ、こういう交渉事をさせたら彼の右に出る者はいないよ。

A:彼女の演奏は実に素晴らしいですね、感動しました。
B:そうだね、この曲を弾かせたら彼女の右に出るものはいないと思うよ。

A:これだけ早く業務のデジタル化が進められたのも彼のおかげです。
B:IT関連の仕事をまかせたら、社内で彼の右に出る者はいないからね。

など、「右に出る者はいない」というたとえを使って、その人が最も優秀で実力が傑出しているといっているのです。

ではなぜ右に出る者がいなければ、その人が最も優秀であるであるといえるのか?解説します。

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なぜ右なのか?そのわけは

なぜ右なのか?の説明は、「そう決められているから」としかいえません。

中国では秦、漢の時代において、「右上左下(うじょう・さげ)」という考え方、決まりがありました。

自分を中心にして右(右手のある側)が上位で、左(左手のある側)が下位という決まりごとです。

ですから、前述の「無出其右」という言葉が生まれ、また同時代に高い官位から低い官位に落とす「左遷」という言葉も生まれました。

どうして右を上位としたのかその訳は諸説あるようですが、分かりません。時の権力者がそう決めたからだとしかいいようがないようです。

実際、時代が下がり唐の時代では「左上右下(さじょう・うげ)」と漢の時代とは全く逆のことをいうようになります。

「右が上位で左が下位」としたり、「左が上位で右が下位」としたりするからややこしくなるんです。

ちなみに日本は、遣唐使を通じて中国の考え方を取り入れてきましたので、唐の時代の「左上右下(さじょう・うげ)」の決まり事が伝わってきました。

ただ、「無出其右」「左遷」という言葉も故事成語としてそのまま伝わってきていたと思います。

日本では「左上右下(さじょう・うげ)」の考えを取り入れたのですから、

「その左に出る者はいない」とか「右遷(うせん)」に言い換えてもよさそうですがそうはしなかったんですね。

ですから、「右上左下(うじょう・さげ)」と「左上右下(さじょう・うげ)」の考えが混在していて話がややこしくなります。

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右とはどちら側からみた右なのか

「右に出る者はいない」や「左遷」は、「右上左下(うじょう・さげ)」の時代に生まれた言葉です。

とうぜん、右とは自分の右(右手の側)であり、左とは自分の左(左手の側)をさします。

ただこれだと、左を上位とする「左上右下(さじょう・うげ)」とは相反することになります。

ですから、「右に出る者はいない」の右というのは本人の右ではなく、こちら側からみたときの右だという説明もあります。

しかし、もともとが右を上位とした時代に生まれた言葉ですから、こちら側からみたときの右だという説明は単に左上位に合わせるためのこじつけのように感じます。

「右に出る者はいない」といった場合の右とは、そのもの自身の右であることは歴史的事実にかないます。

事実、現在の皇室は西洋の右上位を国際儀礼(プロトコール)の基本ルールとして取り入れられております。

よって、外国からの要人をお迎えになる際や、両陛下がお立ちになるときは天皇陛下が向かって左、皇后陛下が向かって右になられます。

身近なものでは、雛人形の飾り方でその違いがよく分かります。

京都を中心とする「京雛」は伝統礼法に基づいお内裏様(男雛)を左側(向かって右)、お雛様(女雛)を右側(向かって左)に並べます。

一方、全国に普及している「関東雛」は、両陛下の並び方を範としお内裏様(男雛)を右側(向かって左)、お雛様(女雛)を左側(向かって右)に並べており、左右が全く逆の2つの飾り方が並立しています。

日本の伝統礼法は左上位、国際儀礼では右上位と、2つのマナーの併存が右と左の上下関係を分かりにくくしています。

ビジネスの場においても、式典や会食での席順をどう決めるかは悩みどころです。

「今日は国際儀礼でやります」と一言添えることができればスッキリしますよね。

まとめ

右に出る者はいない、の右とはその人の右側(向かってみると左側)をさし、

その意味は、その人の実力が最も優れている、傑出しているということです。

ただ、この言葉を使うときには、「右はどちらなのか」なんて気にしませんし、気にすることもないです。

故事成語ですから、ある分野においてその人が最も優れていると思ったときに「右に出る者はいない」といえばいいんです。

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