お月さまを愛でるとき、
中秋の名月、仲秋の名月、十五夜の月などと表現することが多いのですが、
憂愁の名月ってあまり聞かないですよね。
憂愁の名月にはどんな意味があるのでしょうか?
この記事では、
「憂愁の名月」と「中秋の名月」と「仲秋の名月」及び「十五夜の月」についてまとめました。
また、2021年の中秋の名月、満月はいつになるのかもお知らせします。
憂愁の名月の意味とは
辞書で調べると「憂愁」の説明はあるのですが、「憂愁の名月」という説明は出てきません。
憂愁、とは
心配や悲しみで心が沈むこと
うれい・悲しみ。
を意味しているんですね。
また、名月というのですから
陰暦八月一五夜の月
陰暦九月一三夜の月
を指していると思います。
その月が見る者に対し「うれい」「悲しみ」を感じさせるときに、
自分の心を月に投影して「憂愁の名月」と表現しているのではないでしょうか。
失恋した夜にふと見上げた名月。
そんな月は彼(彼女)にとっては「憂愁の名月」なんですよね。
お月見をして楽しむ中秋の名月や一五夜の月とはちょっと趣が違います。
なんて勝手に読み解いています。
中秋の名月と仲秋の名月の違いは
中秋の名月とは、旧暦八月十五日の夜に出る名月。
仲秋の名月とは、旧暦八月の夜に出る名月。
使う漢字は違っても意味は同じだと思われがちですが、中秋の名月と仲秋の名月は明確に使い分けられているのです。
最初に、「中秋」と「仲秋」の意味を復習したいと思います。
旧暦の秋というのは、七月、八月、九月の三つに区分されています。
七月を初秋、
八月を仲秋、
九月を晩秋
と呼んでいました。
仲秋といえば、旧暦八月全体をさしていたのです。
そして、中秋はといえば、三つに区分されている「秋」のまんなかの日の意です。
すなわち七月、八月、九月のまんなかの日である旧暦八月十五日のみをさしているのです。
中秋=旧暦八月十五日
仲秋=旧暦八月全体
なんです。
十五夜の月は満月とは限らない
月の満ち欠けを基準にしていた旧暦で「十五夜の月」といえば本来は満月をさします。
月がすべて欠けて夜空に見えない新月を1とすれば、満月はちょうど十五日目に当たるからです。
ところが実際には、新月から満月になるまでの日数は14日間~16日間と日数に差が生じます。
必ずしも十五夜が満月にあたるとは限らないんですね。
でも、十五夜の月と聞いたら、誰もが自然と満月を思いうかべますよね。
それに、「十五夜の月」というのは、毎月十五日に見られる月のことですから、一年に十二回もあります。
ただ、旧暦の八月は1年の中で最も空が澄みわたり美しい月を眺めるのには一番適していました。
そこで、旧暦八月十五日の夜にでる月を、特別に鑑賞する「お月見」のまつりがおこなわれるようになり、
一般的に、十五夜の月といえば旧暦八月十五日の夜に出る月ということになっていったのです。
十五夜の月=旧暦八月十五夜の月=中秋の名月という図式のできあがりです。
お月見
この中秋の名月を鑑賞する習慣は、平安時代にまでさかのぼり、はじめは宮中に成立しました。
それがやがて庶民の間で、秋の収穫物を月にお供えして収穫を感謝する祭事となり、
月を観賞する習慣があわさって広がり、お月見の行事が定着したんです。
ススキを始め、米の粉で作った月見団子、秋の七草、里芋、柿、栗、枝豆、お神酒などを供え、家族全員でわけあっていただくものでした。
また、
十五夜、中秋の名月を「芋名月」ともいいます。
これは、ちょうど芋の旬の時期であり、収穫を感謝して新芋をお供えしたことからきています。
旧暦9月13日の名月を「十三夜」といいますが、栗や豆をお供えしたことから「栗名月」「豆名月」ともいうそうです。
「十五夜」の月見のほかに、旧暦9月13日の「十三夜」に二度目の月見をする風習があります。
これは、十五夜の月見だけでなく、十三夜の月見もしないと「片見月」になるのでよくないという理由からです。
2024年の中秋の名月はいつ見れる?
中秋の名月が見れるのは、以下の日です。
中秋の名月が満月となるのは2021年9月21日です。
参考にし、ご家族での月見をぜひお楽しみください。
年 中秋の名月 満月
2021年:9月21日 9月21日
2022年:9月10日 9月11日
2023年:9月29日 9月30日
2024年:9月17日 9月18日
余談
じん兵衛がいうのもなんですが・・・
中秋の名月とか仲秋の名月、十五夜の月・・・いろいろいいますが、実際の使い方はてんでバラバラ。
諸説入り混じってるといってもいいでしょうか。
じん兵衛は
旧暦八月十五夜の月=中秋の名月、といいましたが、
旧暦八月の満月=中秋の名月、という説もあります。
満月というのがキーワードのようですが、
どんな辞書をみても、
名月とは、旧暦八月十五夜の月 また 旧暦九月十三夜の月、
となっており、満月である必要はありません。
ということで、日本人の感覚として、お月見の月は、
中秋の名月=仲秋の名月=十五夜の月=満月
の図式でいいんじゃないかと、ゆる~く考えています。
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