[jinn]
「〇〇弱」とか「〇〇強」とか、弱や強を数字のうしろにつけて相手につたえることってありますよね。
正確でなく、あいまいな大きさで伝えたいときに使います。
たとえば、相手に体重を聞いたら、
一人の人は「う~ん、50キロ弱かな」と返事があり、
もう一人は「う~ん私は50キロ強かな?」と言う返事がかえってきました。
さて、あなたは二人の体重をそれぞれ何キロだと思いますか。
50キロ弱は、
50キロ+「弱」の重さ=50.3キロぐらい?
50キロ強は、
50キロ+「強」の重さ=53キロぐらい?
今まで、じん兵衛はこんなふうに、数字の後ろについた「弱」や「強」の意味を理解していました。
が・・・、この考え方はとんでもない間違いでした。
今まで勘違いして使っており、とても恥ずかしい限りです。
「弱」と「強」の正しい意味と使い方はこうだったんです。
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「〇〇弱」「〇〇強」の意味
「弱」や「強」を辞書で調べると、辞書ごとに説明することばが違います。
同じ現象を説明するにしても、人によってその伝え方が違うのと同じです。
こんなときは、ことばだけでなく、具体的に数値と対比してみるとわかりやすいですね。
弱とは
(数量を表す語について)数量が示した数値より少し少ないこと、また示した数値が端数を切り上げたものであることを表わします。
棒の長さの例でいえば、
棒の長さ「3メートル12センチ8ミリ」を次の通り表現できます。
- 3メートル12センチ8ミリです(正確な数値)。
- 3メートル13センチ弱です(13センチには少し届かないが、端数の8ミリを切り上げて13センチといっておこうか)。
ただ、端数の12センチ8ミリを切り上げて1メートルを上乗せして、「4メートル弱」とまでいうのは無理がありますよね。
強とは
(数量を表す語について)数量が示した数値より少し多いこと、また示した数値が端数を切り捨てたものであることを表わします。
端数とは、「数を、ある単位で切った場合の、あまりの数」です。
例えば、1本の棒の長さをはかったら、3メートル6センチでした。
このとき、「何メートルの長さだった?」ときかれて「3メートル6センチでした」と答える人もいるでしょう。
でも、人によっては「3メートル強です」とこたえます。
聞いた人は「3メートルより少し長いか」と解釈します。
頭のなかでは、正確には「3メートル◯◯センチ」なんだと理解してくれるわけです。
しかし、端数の〇〇センチが何センチなのかはわかりません。
ばくぜんと、「少し」と思っているだけです。
棒の長さが「3メートル12センチ8ミリ」だったら,答えかたは人によって三つに別れるかもしれません。
- 3メートル12センチ8ミリです(正確な数値)
- 3メートル12センチ強です(端数、8ミリを切り捨てた)
- 3メートル強です(端数、12センチ8ミリを切り捨てた)
要するに、「〇〇強」といわれても、
「強」の部分が具体的にどれだけの端数だったなのかは、いった本人しか知らないことなんです。
いくつだったら切り捨ててよいという決まりもありません。当人が勝手に決めているだけです。
「〇〇強です」と教えられた人は、これまた勝手に想像するしかありません。
お互いにとって、じつにあいまいな表現方法です。
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「強」「弱」使いわけの目安はどこ?
もともとが使い方にあいまいさがある「強」「弱」です。
そのため、表現のしかたに一定のルールを設けている企業もあるといいます。
有効数字が一桁であれば、
51,52,53 ⇒ 50強
54,55,56 ⇒ 50台半ば
57,58,59 ⇒ 60弱
50~59 ⇒ 50台
ただし、有効数字が0.1桁きざみとなると
50.1,50.2,50.3 ⇒ 50強
50.4,50.5,50.6 ⇒ 50台半ば
50.7,50.8,50.9 ⇒ 51弱
50.0~50.9 ⇒ 50台
となり、同じ50強、50弱、50台でも違ってきますので注意が必要です。
震度5弱、震度5強
その点、気象庁震度階級表の震度5と震度6については「弱」「強」をつける基準が決まっています。
4.5以上5.0未満 震度5弱
5.0以上5.5未満 震度5強
5.5以上6.0未満 震度6弱
6.0以上6.5未満 震度6強
まとめ
- 「〇〇強」は、示した数値「〇〇」より少し多いこと、また示した数値が端数を切り捨てたものであることを表わします。
- 「〇〇弱」は、示した数値「〇〇」より少し少ないこと、また示した数値が端数を切り上げたものであることを表わします。
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