こんにちは、じんさんです。 書類に印鑑をお願いするとき、「ご捺印してください」って言ったら、なんだか変な顔をされたことありませんか?
今日はそんな「ご捺印」や「ご押印」のお願いのしかたについて、じんさんなりにやさしく解説しますよ。
「ご捺印してください」「ご押印してください」は間違い?
この言い方、じつは少し注意が必要なんです。 「ご捺印」や「ご押印」という言葉自体は、相手に敬意を表す言い回しですが、 そのあとに「してください」と続けると、なんだか命令っぽく聞こえてしまうんですね。
目上の方やお客様にお願いするときは、 「ご捺印をお願いします」や「ご押印をお願い申し上げます」 といった表現のほうが、やわらかく、ていねいな印象になります。
ご捺印・ご押印をお願いするときの文例
じんさんも昔、取引先に書類を送るときによく使った表現があります。 以下のような文例を参考にしてみてくださいね:
- ご署名、ご捺印の上、折り返しご送付くださいますようお願い申し上げます。
- 内容をご確認いただき、ご署名ご捺印の上ご返送くださいますようお願い申し上げます。
- 誠にお手数ながら、同封の書類の該当箇所にご押印の上、ご返送くださいますようお願い申し上げます。
- 書類〇ページ目に、ご署名とご捺印をお願い申し上げます。
- 付箋を付しております箇所に付き、ご担当者様のご署名ご捺印をお願い申し上げます。
- 同意書の最後のページにあるお名前の横に、ご押印の上、ご返送くださいますようお願い申し上げます。
「ご」が多くて少しくどく感じるかもしれませんが、 お客様相手ならこのくらいがちょうどいいと、じんさんは思っています。
捺印と押印、なにが違うの?
「捺印」と「押印」、じつは似たようでちょっと背景が違うんです。 どちらも「印を押す」ことを意味しますが、 昔から使われていたのが「捺印」、 そして公的な文書では「押印」が主に使われています。
どうして「押印」が使われるようになったの?
捺印の「捺」は古くから使われていた漢字です。
それが、1946年に当用漢字(1850文字)が制定された際に、「捺」という漢字が当用漢字表に入らなかった。
そのために、「捺」を使った「捺印」という用語が公文書や法令などでは使われなくなりました。
代わりに使われるようになったのが、「押印」だったというわけです。
ただ、当用漢字表はあくまで「漢字使用の目安」にすぎず、一般社会では使い慣れた「捺印」を使い続ける人が多かったのです。
そのため、現在のように「捺印」「押印」の両方が入り混じって使われだしたのです。
平成22年11月30日には、改定された「常用漢字表」が告示されました。
内閣法制局長官 法令における漢字使用等について
この中で、「捺印」については、
”捺 印(用いない。「押印」を用いる。)”
(6ページ目、3行目)
と明記されたのですが、内閣告示にある常用漢字表は、あくまで「漢字使用の目安」であります。
各個人らが常用漢字表にない文字を従来からの文化、慣習などの理由から使ってもなにも問題はありません。
現に、「捺印」はビジネス社会においても、その市民権を確固たるものにしています。
読み方は「なついん」と「おういん」
捺印は「なついん」、押印は「おういん」と読みます。 今では公的機関では「押印」が使われていますが、ビジネスの現場では両方とも普通に使われていますよ。
署名捺印と記名押印のちがい
「署名捺印」とは、自分の手で名前を書いて印を押すこと。 「記名押印」は、印刷された名前などに印を押すことをいいます。
じんさんの感覚では、署名捺印のほうがしっかり本人の意思が反映されるイメージですね。
署名とは?
本人が自筆で名前を書くことです。 筆跡や筆圧から、本人かどうかの判断もしやすく、法的な効力も強いです。
記名とは?
パソコンで印刷した名前や、氏名印を使うのが「記名」。 署名に比べると、本人の関与が少ない分、証明力は弱くなります。
捺印と押印、法的にはどっちが強い?
どちらも「書類の内容を認めました」という意思表示になりますが、 法的な効力としては以下の順番が強いとされています:
- 署名捺印
- 署名のみ
- 記名押印
- 記名のみ
ちなみに、「印鑑を押す」という言い方、実はちょっと誤用です。 正しくは「印章を押す」なんですね。 でも、日常ではつい「印鑑」って言っちゃいますよね、じんさんもです(笑)
まとめ
大切な相手に印鑑をお願いするとき、 「ご捺印ください」よりも「ご捺印をお願いします」のほうが、 やさしくてていねいに聞こえます。
「捺印」でも「押印」でも問題ありませんが、 状況に応じてどちらを使うか意識してみると、 より信頼感のあるやり取りができますよ。
この記事が、あなたのビジネス文書や書類作成の参考になればうれしいです。 ではまた、じんさんでした!