荷物を受け取るとき、
「ここに印鑑を押してください」とか「はんこ押してください」なんていわれることありますよね。
これってどっちが正しいんでしょうか?
どちらでも当人同士で話が通じれば、いいじゃないかと思うのですが、
「印鑑」と「はんこ」は違うものです。
「印鑑を押す」は間違ったいいかたです。
印鑑とはんこは違うもの
上の写真に写っているものらは「はんこ」と呼ぶもので、「印鑑」とは呼びません。
「はんこ」の形は丸型、楕円形、角型などがあり、その大きさや材質もいろいろです。
どこのご家庭にもある、「認め印」といってるものは「はんこ」です。
一般的に「はんこ」と呼ぶことが多いのですが、正式な呼びかたは「印章(いんしょう)」です。
印章(いんしょう、英語: seal)は、木、竹、石、角、象牙、金属、合成樹脂などを素材として、その一面に文字やシンボルを彫刻したもので、個人・官職・団体のしるしとして公私の文書に押して特有の痕跡(印影・印)を残すことにより、その責任や権威を証明する事に用いるもの。印(いん)、判(はん)、印判(いんはん)、印形(いんぎょう)、印顆(いんか)、印信(いんしん)、ハンコ(判子)ともいう。
出典:ウィキペディア 印章
「はんこ」とは、書類上などに「印影」を形成するために使う道具をさす言葉なのです。
印鑑とは特別に登録された印影をさす
「はんこ」に朱肉などをつけて紙面に押しつければ、紙面には「はんこ」に施されている文字などの痕跡が残ります。
この残った痕跡を「印影」といいいます。
この「印影」の中でも、ある特定の役目をもたせるためにあらかじめ登録した「印影」のことを特別に「印鑑」とよび、他の印影とは区別したのです。
その特別の「印影」とは、実印や銀行印など、地方自治体や金融機関にあらかじめ登録をしている印影のことをさします。
ですから、郵便の書留とか宅配荷物の受取にさいしては、「はんこ」を押してくださいでいいんです。
「印鑑」を下さいとか、お願いしますというのは「印鑑」本来の意味からいえば使い方を間違えているのです。
実印をお持ちの方はお分かりでしょうが、役所に実印を登録するときには、「印鑑登録申請書」を提出します。
私が実印として使う「はんこ」で押印したときの「印影」はこれですよ、と「印影」を届出ることを印鑑登録というのです。
銀行印も同じことで、預金取引にはこの「はんこ」を使います。
この「はんこ」で押したときの「印影」はこれになりますよ、と銀行に届け出た「印影」が銀行取引の「印鑑」として登録されるのです。
鶏と卵、の関係とおなじなんですね。
鶏が、はんこ(印章)
卵が、印影
ブランド卵が、印鑑
飼育者が、役所や金融機関
でもって、この卵を産んだのはこの鶏だ、と鶏と卵との関係を確認して証明してくれる目印をつけてくれる人が、卵を取り上げた飼育者。
目印を付けられた卵は、出生が間違いないブランド卵になるわけで、卵をみれば産んだ鶏が正しく証明される仕組みになっています。
とはいえ、実生活では普通に、「はんこ」=「印鑑」という感覚で話しています。
ふだんの生活で正確に使い分けることもないと思いますが、本来の意味は「別もの」なんだということは知っておいたほうがいいですね。
まとめ
- はんこ(印章)・・・印材の平らな面(印面)に名前を彫刻した本体部分。
- 印影・・・印面に朱肉を付けて紙に押して残る文字。
- 印鑑・・・市区町村等の役所や、銀行などの金融機関に届け出て登録された「印影」を指します。
実印として登録された印鑑は、あなた自身を証明する大切な役割をにないます。
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