文書に名前を書いて印鑑を押すときって、
印鑑はどの位置に押すのが正しい印鑑の押し方なのかと、ふと迷ったことはありませんか。
私も一時期迷ったものですが、今は納得してこうしています。
この記事があなたの参考にでもなれば嬉しいです。
印鑑を押す正しい位置は決められているのか
印鑑を押す位置に法律的な取り決めなどありません。
そもそも、文書に署名したあとに印鑑を押す意味は、「この文書は私が作成しました」ということを表わすためのものです。
欧米だと本人がサイン(署名)するだけなのですが、日本では「署名捺印」という文化があるわけです。
どこに押してあるかが問題ではなく、印鑑が押してあることが大事なんですね。
とくに認印の場合など、どこに押すべきかで迷う必要はまったくありません。
ただし、認印と違って、実印あるいは銀行印を押す場合には状況が違ってきます。
認印の押し方と、実印や銀行印の押し方は区別して考えないといけません。
認印の押し方
文書に署名してから印鑑を押す場合、
- 名前の最後の字にかかるように押す。
- 名前の最後の字にかからないように押す。
- あらかじめ印の文字が印刷されていれば、印の上に押す。
- 印の文字からずらして押す。
- 名前の最後の字と印の文字の両方にかけて押す。
などの5通りが考えられますが、
あなたの好きな位置に押せばいいんです。
大勢の中には、これが正しい位置だと言う人もいるでしょうけど、
そんなのはルールとしての根拠などない、その人にとっての主観にしか過ぎません。
「印鑑がこの位置に押されていては、この文書は受け取れません」
「こんなところに印鑑を押すなんて非常識な人間だ・・・」
こんなことは誰もいわないし、思いもしません。
そんなことよりも、
印鑑を押すときは、
全体がぼやけたり、一部が欠けていたりすることなく、
はっきり判別できるよう、署名と印鑑の全体のバランスがきれいに見えるよう、に気を配って押すことのほうがずっと大切なことです。
なお、名前の最後の字とか、印の字にかかるように印鑑を押すのは、コピー機による印影の複製・偽造を防ぐためだという人がいます。
たしかに、特別に作った、世界に一つしかない認印なら、勝手に複製・偽造されるなんて気分的に許せませんよね。
そういう印鑑をつかわれるなら、文字にかかるように印鑑を押すのもよいのではないでしょうか。
そういうこともひっくるめて、好きなように押せばいいのです。
書面にあらかじめ「印」の文字が印刷されているのは、
「この位置に印鑑を押してください」という意味よりも、
「印鑑を忘れず押してください」との注意をうながす意味で印刷されているのであろう。
と、じん兵衛は想像しています。
実印や銀行印の押し方
実印や銀行印(預金取引に使用する印鑑)は、ほかの文字に印鑑が重ならないようにして押さないといけません。
なぜならば、
実印は、役所が発行した印鑑証明書の印影と照合します。
銀行印は、あらかじめ銀行に届けられている印影と照合します。
正しく照合するためには、実印や銀行印がほかの文字に重なっていないほうがいいですよね。
実印というのは、区役所や市役所にあらかじめ自分の印として「印影」が登録してある「印章」のことです。
必要に応じて印鑑証明書の交付を受けられるます。
ですから、実印が押されている文書は、印鑑証明書の印影と照合することにより、「この文書は署名した人間が間違いなく作成した」ということを公的に証明できるわけです。
不動産取引、金銭取引契約など重要な文書には必ず実印を押すことを要求されます。
実印が本物であるかどうかは慎重に照合する必要があるので、ほかの文字に重なってるような押し方はダメです。
ダメといっても法的ではなく、印影が正しく確認できやすいように押す位置には配慮しましょうということです。
最後に、
記事内では「印鑑を押す」という表現を使っていますが、本来は「はんこ(印)を押す」あるいは「印章を押す」
というのが正しい表現のしかたです。
詳しくは>>印鑑とはんこの違いはなに?本当は「はんこを押す」が正しいんですね
まとめ
認印は好きな位置に押せばいいです。
ただし、乱暴で見た目が美しくない押し方はしないでください。
とくに履歴書に押す場合は、名前と印が近すぎず、離れすぎずバランスよく押すよう気を配ることが大切です。
それは、あなたの人となりを表わすことになります。
実印や銀行印はほかの文字に重ならないように押します。
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