【領収書・請求書には御中か様か】封筒と文書の宛名書きは同じではない!

御中 様 殿

会社宛に郵便を送るときは封筒には迷わず「〇〇 御中」と書けるのに、領収書・請求書の宛名となると御中か様か?なんて悩んだことはありませんか。

ネットでテンプレートを調べても、御中と様が入り混じっており本当に迷ってしまいますよね。

でもこの2つを比べてください。

領収書

〇〇株式会社 御中

¥100,000円也
上記正に受領いたしました。

領収書

〇〇株式会社 様

¥100,000円也
上記正に受領いたしました。

2つを比べると、

私は「様」のほうは素直に受け取れるますが、「御中」のほうには違和感があります。

なぜなら、「御中は」個人宛でない郵便物を出す時、その宛名の下にそえる語だからです。

つまりは、封筒の宛名書きに用いられる語ということです。

だから、同封される文書としての領収書・請求書の宛名に「御中」が使われているのを見ると「これって変だよね」と感じるのです。

この記事では、領収書・請求書の宛名には「御中」と「様」どちらをつけるのが正しいかについて解説します。

結論は、「御中」ではなく「様」を使ってくださいということです。

これを読めば、どちらをつけるのかで悩むことはなくなりますよ。

領収書や請求書には御中ではなく様をつける理由とは

御中とは、広辞苑によれば、

「個人宛でない郵便物を出す時、そのあて名の下にそえる語」

とあります。

つまり、

郵便物の封筒の上に書く宛名が個人名でないときには「御中」をつけてくださいということです。

「御中」とは法人や行政官庁といった「団体」宛に郵送物を出す際、特定の個人ではなく「部署」に宛てた内容の場合に書き添える言葉です。

大前提としては上記にあるとおり「御中」の利用は郵便の宛先のみ、宛先の書き方としては「○○株式会社 □□部署 御中」という書き方が用法上の正解であると定義されています。
引用元:BOXIL

そもそも会社名に御中をつけるのは、

「その宛名の中にいるどなたか担当者様へ」という意味をこめているのです。

「中の人へ」を表す「中」に丁寧語の「御」をつけたもので、その封筒を開いて読んでくださる「どなたか様」に対する敬称なんですね。

ですから、住所・宛先を書く封筒でもない、領収書・請求書用紙の宛名に御中をつけるのはおかしいのです。

請求書は、会社本体に対して支払を請求するものです。

お金を支払ってくれるのも会社本体のはずです。

なにも「その会社の中にいるどなたか様」に支払を請求しているわけではないですよね。

会社は、法人であり、人とは違いますが法律上人格を認められています。

法人を擬人化してその法人に対して請求書をだしているのです。

お金を支払ってくださる請求先に敬意を表すのは当然ですから、相手への尊敬、敬意の意を含んでいる「様」をつけます。

会社への敬称は、基本的には「御中」を付けます。しかし、会話表現では違和感があるうえ、「御中」という言葉は、会社の中のどなたかを指す言葉です。そうではなく、会社そのものを指すときに、「様」をつけても問題ないといえるでしょう。

領収書を書くときと同じ考え方です。会社の中の誰かに出すのではなく、会社そのものに出すので「会社名+様」と書きます。
引用元:会社名に「様」付けは誤り? マナー講師に聞いてみた

お客様である会社には敬意を表すべき

「様は、人名・神仏名、また人格化されたものなどに添えて敬意を表す語(旺文社詳解国語辞典)」ですから、

お金を支払ってくださる相手には「様」をつけて敬意を表します。

でも、「御中」には「様」のような意味は含まれておりません。

単に、個人宛でない郵便物を出す時、その宛名の下にそえる語としての用途があるだけです。

会社宛に出す文書の常套句に、

「貴社におかれましては益々ご清祥のことと…」があります。

貴社とは文書中で相手会社を敬っていう語です(会話の中では貴社ではなく御社といいますよね)。

この貴社の文字を使わずに書くときはどう書きますか?

ほとんどの方が次のように書くと思います。

〇〇株式会社様におかれましては益々ご清祥のことと…」

間違っても、

「〇〇株式会社御中におかれましては益々ご清祥のことと…」

なんて書く人はいませんよね。

請求書や領収書の宛名だって同じです。

支払っていただける会社に敬意を払う気があるなら、自然と「様」を使う気になりませんか。

「宛名が会社名だったら御中をつけるのが当然」なんて無意味な固定観念にとらわれているのではないでしょうか。

封筒への書き方と同じだなんて思はないでください。

余談ですが、会社宛に郵便物を出す場合には当然、

「〇〇株式会社 御中」

なのですが、御中ではなく積極的に「様」を使おうという会社もあるそうです。

「〇〇株式会社 様」のほうがお客様に対する感謝の気持ちがこもっていていいのだそうです。

このような会社は、請求書や領収書に御中を使うなんてことありませんよね。

ただ、これはこれで問題がありますけどね。

いずれにしても、請求書や領収書に「御中」をつけてあるものからは、それらを送った人の名宛人に対する敬意というものがあまり感じとれません。

これはあくまでも私の個人的感想です。

皆さんはどう感じられますか。

以上のようなわけで、請求書用紙、領収書用紙の宛名には御中でなく様をつけるべきと考えます。

領収書・請求書に印刷されている様を消して御中をつける

コクヨ(文房具大手)の領収書用紙を購入すると宛名の箇所には「様」が印刷されています。

会社宛のときは「様」を消して「御中」に書き換えるなんててことはする必要ありません。

このまま使えばよいのです。

もちろん封筒の宛名は

「〇〇株式会社 御中」
「〇〇株式会社 経理部 御中」
「〇〇株式会社 経理担当者 様」

などと書いてください。

請求書などの文書の宛先に書く企業名に付ける「敬称」は、何が正しい?

日本電子電話ユーザー協会へ上記の質問が寄せられていました。

回答は興味深いのですが、郵便物として封筒に書く宛名と、請求書の本体に書く宛名が区別されていないと感じました。

回答の中には、「封筒でも文書でも同じです。」という意見がありましたが、私は同意しかねます。

質問は
「請求書などの文書の宛先に書く企業名に付ける「敬称」は、何が正しい?」

請求書の文面に書く相手方の名前(社名)の敬称は、団体や法人でも「様」とした方が良いかどうか悩んでいます。最近、上司に「請求は担当者にするものではなく会社本体にするものだから、『御中』ではなく『様』で」と指示がありました。以前は会社名に「様」を付けるなんて…という感覚だったのですが、会社自体に宛てた際の敬称は、本当に「様」で良いのでしょうか。

回答は、

  • 敬称を使う際、大切なのは相手を敬う気持ち。確かに一般的なビジネス文書上、会社名の敬称は「御中」、個人の敬称は「様」ですね。しかし、「様」はどのような場面でも違和感なく口頭や文書で使われています。不特定の人の目に触れる封筒は「御中」で、宛先会社内の方へ“大切に読んでいただきたい”という敬意を込めて文書に「様」を用いることは不自然なことではありません。基本知識を身に付けた方にこそ、柔軟なコミュニケーションを身に付け生かしていただきたいと思います。もちろん封筒の中には温かい心も忘れずに同封してくださいね。
  • 封筒でも文書でも同じです。しかし、市販されている領収書にはあらかじめ「様」が印字されているものもありますね。この場合はあえて「様」を「御中」に訂正して使用しなくてもいいのですが、「様」の印字がないものや自社で請求書を作成する場合は「御中」を記入します。また、宛名が個人の場合は「様」ですが、「殿」の敬称を使う方もいます。「殿」は「様」より目下扱いになりますのでこれは避けた方がよいでしょう。その他、領収書の宛名で(株)と書いているものを見かけますが、必ず「株式会社」と略さずにご記入くださいね。
  • 本来、「様」は個人に対する敬称ですから、企業名のあとに「様」を付けるのは誤りです。ただ、地方や企業文化によっては、企業名のあとに「様」を付けるところもあるようです。 このように、一般的に正しいといわれるマナーと、現状が異なる場合があります。この上司の方の論理には無理があるように感じますが、企業文化やお客様に合わせるのも1つのマナーです。あなたの会社宛の請求書に、「御中」「様」のどちらが使われているのかを参考になさってみてはいかがでしょうか。
    引用元:日本電子電話ユーザー協会

なお、この質問に対する私の答えは、

「この上司の方に賛同します。請求書、領収書などの用紙の宛名には様をつけてください。」

です。

とはいえ、ネットで見ると、会社関係への請求書、領収書は、ほぼほぼすべてのテンプレートで御中がつけられています。

「〇〇株式会社 様」となっているものはごく少数なんですね。

その他大勢とは違うことをするのはたいへんですけど、私は現役時代に「様」をつけてきました。

実際世の中、宛名書きが「〇〇株式会社 様」となっている請求書、領収書をみることはそれほど珍しいことでもありません。

あなたが会社でみる請求書、領収書の宛名は「御中」と「様」のどちらが多いですか。

まとめ

領収書・請求書に書く宛名には様をつけます。

個人名ではなく会社名・団体名などにする場合でも御中でなく様をつけます。

封筒ヘの宛名書きとは違うのです。

宛名が会社名なら御中をつける、という固定観念はすてましょう。

でも、

会社、部署の慣習とか方針が「御中」をつけるといいのであれば、会社内ではその方針に従えばいいのです。

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