駐車違反をして放置車両確認標章の黄色いステッカーをはられてしまったら、あなたは正直に警察へ出頭しますか?
それとも、駐車違反のステッカーを無視し自分ではがすなどして、出頭せずに帰ってしまいますか?
そうしても、法的に罰せられることはありませんよ。
でも、正しい知識をもたずに、放置車両確認標章を無視することを続けていると、思ってもいない落とし穴に落ちてしまうことがありますから注意してくださいよ。
「えっ、落とし穴って?なんだ!」
そう思ったってあなたは、この先の記事を読んでください。
放置車両確認標章が取り付けられた場合
放置車両確認標章をはられても、通常は
- 放置車両確認標章を自分ではがして、帰る。
- 警察にも出頭しない
という対応でかまいません。理由は簡単です。
- あとから車の所有者あてに送られてくる、放置違反金を払えばすむ。
- 警察に出頭したら、違反点数を加算されるから。
- ゴールド免許だった場合、その特典を自分から捨てることになるから。
など、正直に出頭したせいでこうむるデメリとのほうが大きいからです。
とくに、あと1,2点の加算で免許停止処分を受けることになる人にとっては、正直に出頭したせいで免停処分になってしまったのでは目も当てられませんよね。
運転者の出頭がなければ、違反点数が加算されないこの制度のメリットは大きいですよ。
しかし、出頭しないことで受けることになるデメリットも知っておかないといけません。
放置車両確認標章の反則金と違反点数
放置車両確認標章を無視するのは2回まで
今回、放置車両確認標章をはられたのが初めて、あるいは、2回目なら警察には出頭しないほうが得策です。
というか、出頭するのは愚の骨頂です(じん兵衛の個人的見解です)。
なぜって、出頭しないことでのデメリットはなく、メリットのほうが大きいからです。
でも、今回が3回目で、しかも過去6ヶ月以内にも2回、放置違反金の納付しているなら、警察に出頭して青切符を切ってもらい、反則金を払ってください。
出頭しないことで受けるはずだった
- 違反点数を加算されない。
- 次回更新時もゴールド免許でいられる。
などのメリットはあきらめましょう。
過去にも2回放置違反金を納付しているから、今回の違反も前と同じように済ませようなんて気軽に考えてはダメです。
なぜなら、
3回「放置違反金仮納付書」の送付を受けて違反金を納付すると、「車両の使用制限命令」という怖~い怖い処分がまち構えているからです。
(ただし、送付を受けても、放置違反金仮納付書で納付せずに、警察へ出頭して青切符を切ってもらえば使用制限の処分は回避できます。)
使用制限命令は駐車違反の繰り返しで受ける
同一車両が放置駐車違反を繰り返し行い、基準を超える回数以上の放置違反金納付命令を受けた場合に、公安委員会がその車両の使用者に対し、一定期間、車両の使用の禁止を命令する処分です。
具体的には、放置違反金納付命令の原因となる違反が行われた日の前6月以内に、同じ車両の違反で一定回数以上(下記の「使用制限の基準」参照)納付命令を受けたことがあるときは、公安委員会が、その使用者に対して、3月を超えない範囲内で期間を定めて、その車両を運転したり、他の人に運転させてはならないことを命令するものです。
引用元:放置駐車違反、責任追及の流れby長野県警察本部交通部交通指導課
具体的には、こんなステッカーが車のフロントガラスに貼られます。
「何をしでかしたんだろう?」とご近所の好奇の目にさらされること請け合いです。
イヤ、これは他人には見られたくない絵ですね。何事があったのかと思われてしまいます。
例えばですが、こんな場合に使用制限命令を受けます。
2018年1月1日に放置車両確認標章をはられた。
出頭しなかったら、1月20日頃、放置違反金仮納付書がきたので納付した(1回目)。
2018年4月5日 また駐車違反をした。
今回も出頭しなかたら、4月17日頃、放置違反金仮納付書がきたので納付した(2回目)
2018年6月18日 またまた放置車両確認標章をはられた。
今回も出頭しないで、6月30日頃にきた放置違反金仮納付書で納付した(3回目)。
しばらくして、公安委員会から当該車両の「車両使用制限命令」を受ける。
身に覚えがある人は、3回目の放置違反をしてしまったら、よくよく自分にとっての損得を考えたうえで、出頭するかしないかを判断してください。
放置車両確認標章をレンタカーにはられた場合
あなたの取るべき行動は三つあります。
警察へ出頭する
放置車両確認標章をはられたら、確認標章に記載されている警察署に出頭して所定の手続きと反則金などの支払いをします。
最もまっとうな行動です。レンタカー会社もレンタカー返却時までの違反処理を強く求めています。
出頭せずあとから放置違反金を納付する
都合悪く、出頭する時間もないので、そのままレンタカー会社に帰ってきて、事情を話す。
その際に、レンタカー会社が定める駐車違反金を支払う。
普通車だと、25,000円です。
その後警察に出頭して青切符を切ってもらい反則金を納付する。
あるいは、後日、レンタカー会社宛に届く「放置違反金仮納付書」を受け取って警察に出頭して、青切符を切ってもらう。
納付したら、「警察で受け取った書類」「領収書」などを提示して、レンタカー会社へ払っておいた駐車違反金25,000円を返してもらいます。
青切符で違反点数が加算されることで困る事情があれば、25,000円の費用でレンタカー会社に処理を任せる手もあります。
レンタカー会社で代行してもらう
レンタカー会社に「放置違反金仮納付書」が届いたら、本人に代わりレンタカー会社で放置違反金を期日内に支払ってもらう。
レンタカ-会社によって代行してくれる、代行してくれないがありますので、前もって聞いておきましょう。
ただし、この場合
レンタカー会社へ払った駐車違反金25,000円から、放置違反金15,000円を払った際の差額10,000円は返してもらえません。
車の経歴をキズつけてしまったペナルティー代ということなんでしょう。
10,000円も余分にとられるのがイヤなら、「放置違反金仮納付書」をもらって警察へ行き、放置違反金の代わりに個人に対する青切符を切ってもらい反則金を払います。
これで、レンターカーの経歴には傷がつきません。
あなたには、違反点数が加算されます。
会社の車で駐車違反した場合
車を使っての営業周り、場所によっては訪問先の近くで路上駐車させることもありますよね。
で、車に戻ったら放置車両確認標章がはられていた。
自分の車なら、勝手に放置車両確認標章をはがすなりしてそのまま帰ればよいのですが、社用車ともなれば後から会社にバレてしまいます。
たとえ違反点数がついても、警察に出頭して青切符切ってもらいますか?
あなたの立場によりけりですが、営業中のやむを得ない駐車違反だったとしても会社には黙っていたほうがいいです。
正直に出頭して個人として責任を取りましょう。
反則金を払ってしまえば、駐車違反したことが会社にバレることはありません。
でも、会社の上司に話をして放置違反金での振り込みを了承してもらえるならラッキーです。
たとえば、
違反点数が加算されることで、免許停止処分を受けることになり、車を使った営業回りができなくなる場合、
「営業成績のよい彼が、車を使った営業周りができなくなるのは会社にとって大きな損失だ、得策ではないな」なんて会社側が判断してくれるかもしれません。
とりあえず車の所有者である会社宛に、放置違反金の振り込み用紙を郵送してもらい、その振込用紙で本人が違反金を支払う。
この方法であれば、違反した本人に違反点数が加算されることはありませんので、免停処分をまぬがれます。
しかしこの方法は何回もできることではありません。
安易に考えていると車の使用制限を受け、会社の信用に傷をつけることになります。
放置車両確認標章をはられてから違反金納付までの流れです
放置違反金制度とは
放置駐車違反は、その車両の使用者が行うべき「適切な車両の管理」を怠った結果でもあることから、従来からの運転者責任を追及するための「交通反則通告制度」に加え、車両の使用者としての責任を追及するため、道路交通法の改正が行われ、運転者の責任追及ができない場合には使用者に放置違反金の納付を命ずるという「放置違反金制度」が新設されたものです。
「放置車両確認標章」を取り付けられた車両の運転者が、一定期間を経過しても、警察署等へ出頭して反則告知を受け反則金を納付するなどしない場合は、公安委員会から、その車両の使用者に対し、放置違反金の「仮納付書」と、違反の事実、仮納付することができる放置違反金に相当する金額、弁明書の提出先と提出期限が記された「弁明通知書」とが送付されます。
この通知を受ける使用者とは、基本的には、その車両の自動車検査証(車検証)等に記載された使用者になります。
したがって、お父さんが使用者となっている車を息子さんが運転していて違反をした場合はお父さんへ、会社の車を社員が運転して違反をした場合は会社へ通知が届くこととなります
引用元:放置駐車違反、責任追及の流れby長野県警察本部交通部交通指導課
法令についてもっと詳しく知りたい方は、
車両の使用制限命令に関する事務処理要領の制定について(平成 18 年 10 月 23 日例規交指第 67 号)をお読みください。
放置車両確認標章とはなに
放置車両確認標章とはこんな黄色いステッカーのことです。
放置車両と判断された車両のフロントガラスにペタリと貼られます。
でも、放置車両ってなに?と思いますよね。
実は簡単なことで、
駐停車違反を見つけたときに、車両の近くに運転者がおらず、すぐ移動させることができないときは「放置駐車違反」となり、放置車両確認標章がはられます。
警察官が摘発したときに、運転者がいた場合は、「駐停車違反」としてその場で「青切符」が切られます。
運転者がいるか、いないかの違いで、違反への対処方法が変わってきます。
以前は、違法駐車標章と呼ばれるワッカをサイドミラーなどに取り付けていたのですが、2006年の法改正でワッカは廃止となりました。
現在は放置車両確認標章というステッカーが貼られるようになり、このステッカーは、以前のワッカと違って、自分で剥がしても罰せられることはありません。
まとめ
放置車両確認標章を車にはられたら、選択肢は二つ。
- 放置車両確認標章のステッカーを無視して自分ではがす、トンズラする。
- 放置車両確認標章に書かれた警察へ出頭して、青切符を切ってもらい反則金を払う。
それぞれに、出頭するメリット、デメリットがあります。
自分の過去の違反などを勘案して、現状にあった方法を選んでください。
なにも、バカ正直になることもありません、かといって楽観的になりすぎるのも考えものです。
先を越して、一番得になるであろう方法を選びましょう。
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