駐車場に車を止める時、駐車スペースに「前向き駐車」指定の看板があるところありますよね。
この前向き駐車の指定には、法律による強制力があるのでしょうか。
強制力があるのなら、前向き駐車を守らないと法律で罰せられることになると思うのですが、
看板の指示に従って、前向きで車を止めている人は少数派。
多くのドライバーは、前向きで駐車する気なんかなく、堂々とバックで駐車スペースに車を止めています。
ということは「前向き駐車」には法律による強制力はないということ?
善良なドライバーとして、「前向き駐車のお願い」にはどう対処すればよいのか、考えてみました。
前向き駐車は法律で規制できる?
「前向き駐車」のお願いを無視して、後ろ向きで駐車したとしても、
後ろ向き駐車が及ぼす近隣への影響が、受忍限度を超えるものでなければ、バックで駐車したとしても、そのような行為を罰する法令の規定はありません。
また、受忍限度の基準も設けられているわけではありません。
でもってこの「受忍限度」ってなんだ?といわれそうですが、ザックリ説明すれば、
「普通の感覚をもった人間なら、その程度の迷惑は我慢できる範囲内のことだろう」ということです。
ただ「その程度」といわれても、人から受ける迷惑に対する感情は、人によってそれぞれちがいますから、統一的な基準は決められないんですね。
じん兵衛としては、後ろ向きで止めて、長時間のアイドリングを続けるのは問題があるとしても、
通常のバックでの出入りが受忍限度を超えて、我慢出来ないほどの迷惑を与えることになるとは思えません。
とはいえ、相手はバックで駐車されることに苦痛を感じて、「前向き駐車」をお願いしているのですから、
法律うんぬんよりも、運転マナーの問題として対処したいものです。
前向き駐車をなぜお願いするのかその理由は?
前向き駐車の目的は、車の排気ガスによる人体や環境への影響をすこしでも防ぐことです。
誰だって、排気ガスの出る車の後部を自分の方に向けられるのはイヤですよね。
排気ガスの臭いが家の中に入ってきては気分も悪くなります。
健康被害も心配、外壁などが黒ずんで汚されるのも許せません。
庭に接していれば、植木、花への影響も心配になります。
実際の影響がどれくらいなのかという受忍限度の問題でなく、自分たちに排気ガスを向けられる構図そのものがイヤなんです。
コンビニなどの場合は、店の正面に駐車スペースが設けられていることが多いですから、
車の後方を店側に向けられては、店の中に排気ガスの臭いが入り込みやすくなって、中のお客さんにイヤな思いをさせかねません。
店舗の顔でもある、正面のガラス面が汚れていくのも商売上好ましくありません。
近隣住民への配慮も必要です。
商売をしていれば、近隣との不要なトラブルは避けたいですから、
ご近所からのクレームが出た場合、「ちゃんと前向き駐車お願いしますと看板出しているんですが・・・」と、一応の言い訳はできます。
でも前向き駐車するのは危険だという意見
排気ガス対策として、前向き駐車を求められるのは理解できます。
でも多くのドラーバーはバックでの駐車をします。
なぜって、前向き駐車したときのリスクを避けるためです。
バックして止めておけば、でるときは前方左右の安全確認がしやすのでストレスなく出発できるからです。
前向き駐車すると、車をだすときはバックで出ることになりますから、隣の駐車車両などで視界がさえぎられと、後方の安全確認がしづらくなります。
うっかりバックさせたら、進行してきた車、人と衝突した。
こんな事故は、特別なことでもなく、普通におこりえることです。
そのため、自動車教習場では安全を優先して、「バックで駐車」を指導しています。
同じバックするにしても、バックで出ることに比べたら、駐車スペースに入るためのバックは、後方を通行する車や人がいない分、はるかに安全です。
正しい駐車方法はどっちなの?
どちらが正しい駐車方法なのかは人によりけりです。
この場合の「正しい」は「安全、容易」ということを指します。
この駐車場なら、自分にとっては、どちらの方法がよいだろうか?
この点だけを考えて、前向きにするか、後ろ向きにするかを決めればいいんです。
じん兵衛も、普段はバックで車を止めることが多いですが、自然と前向きで止めることだってあります。
駐車場の広さや様子をみて、どちらが止めやすいかを無意識に判断しているわけです。
結局のところ、「この向きで止めなければいけない」ではなく、個々のドライバーの運転技術、感性によって、自分の止めやすい方法を選ぶだけです。
ですから、どちらが正しい駐車方法だと決めつけることはできません。
とはいえ、多くの場合は、バックで駐車するほうが簡単で、出るときも安全であることは間違いありません。
4割が間違えている前向き駐車の定義
そもそも「前向き駐車」とはどんな駐車の仕方なのでしょうか。
じつは、じん兵衛も興味があって今まで人と会ういろんな機会に聞いてきたのですが、結果はおよそ6対4で分かれました。
「前向き」といっても、どこに対しての前向きかが明示されていないために、ドライバーの意見がわかれてしまうんですね。
6割の人は、
駐車スペースに車を前進で入れて止めるのが前向き駐車。
つまり、「車止めに対して前向きに止める=前向き駐車」、と正しく理解していますが、
4割の人は、
駐車スペースに、車をバックさせながら入れて止めるのが前向き駐車だと思っています。
「駐車スペースの入り口に対して前向きに止める=前向き駐車」というわけです。
どちらも正しいように思えてしまいます。
そこで、「前向き駐車」の定義をはっきりさせたいと思います。
「前向き駐車」とは、車を前進で駐車スペースに入れ、車止めに対して前向きに止めることです。
だって、「前向き駐車」してくれということは、「排気ガスの出る車の後方部を自分の方に向けないでくれ」ということなんです。
まとめ
前向き駐車とは、車を前進で駐車スペースに入れ、車止めに対して前向きに止めることです。
前向き駐車のお願いを無視しても、法的に罰せられることはありません。
でも、法律うんぬんよりも、できることなら相手の要望を受け入れることも大人の運転マナーです。
とはいえ、前向きよりも後ろ向きで駐車させるほうが、簡単で、出るときも安全で楽なことは間違いないです。
結局は、自分の運転技術も考えあわせて、前向き駐車するか、後ろ向きで駐車するか、駐車しやすい方法にすればよいということです。
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