双子で生まれた場合、どっちが上になるのか。
双子の兄(姉)はどうやって決められたのか、確かなことが知りたいと思いました。
なぜって、
NHKの朝ドラ再放送中の「澪つくし」では、かおり(沢口靖子)が生んだ双子はあとから生まれたほうが兄だといってました。
でも、今放送中の綾瀬はるか、高橋一生主演ドラマ「天国と地獄~サイコな2人~」では15分あとに生まれた日高(高橋一生)は弟になっていました。
時代によって変わってきたんでしょうか調べてみました。
先に生まれた方が弟としたのは昔の慣習
昔といっても、明治時代初期までの話なんですが、これも全国一律のものではありませんでした。
体格の大きいほう、あるいは、先に生まれたほうを兄(姉)とする慣習も併存していたといいます。
今と違って、当時はどちらを兄(姉)にするかに法の定めはなく、その土地ごとの慣習でもって決めていたのです。
その慣習は、産婆の妄説に由来していたと思われます。
- 兄(姉)は先に母の胎内に入り奥にいるため後からでてくるはず。
- 弟(妹)は兄(姉)を守るため、先に露払いとして出てくる
兄(姉)を決める確かな根拠があるわけでもないですから、
なんでもいい、もっともらしい理由づけが欲しかったのでしょう
双子のどちらが上かが法により定められた
1874年(明治7年)12月13日、「双子の場合は、先に生まれたほうを兄・姉とする」という太政官指令が出されました。
それまでの、慣習による兄(姉)の決め方を法によって全国一律に統一したのです。
しかし、長年の慣習はすぐには変えられなかったようです。
たとえば、以前マスコミ各社で大きく取り上げられた1892年(明治25年)生まれの可愛い名古屋のおばあちゃん双子「きん(金)さんぎん(銀)さん」は、後に生まれた「きん(金)さん」が姉で、先に生まれた「ぎん(銀)さん」が妹になっていました。
こういう事例はまだまだ多かったのでしょう。
1898年(明治31年)10月12日には司法省民刑局長が「出生ノ前後」をもって順序を定めるように再度の通達を出しています。
双子の兄弟の決め方が全国一律となった
昭和23年1月1日に新しい戸籍法が施行されました。
新しい戸籍法には、子供が生まれると
- 14日以内に出生の届出をしなければならない。
- この届出には出生の年月日時分及び場所が記載されていなければならない。
- 届出には医師あるいは助産婦などによって作成される出生証明書を添付しなければならない。
- 出生証明書には「出生の年月日時分」「単胎か多胎かの別及び多胎の場合には、その出産順位」などが記載されていなければならない。
などの定めがありました。
これ以降は全国一律に、双子は出生の届出に記載された出生の年月日時分に基づいて、先に生まれたほうが兄(姉)、後から生まれたほうが弟(妹)として戸籍に記載されるようになりました。
長い年月を経て、やっとのことで1874年(明治7年)12月13日に出された、「双子の場合は、先に生まれたほうを兄・姉とする」という太政官指令が確実に履行されるようになったのです。
「天国と地獄~サイコな2人~」で、東朔也が日高陽人にぶつけた言葉「なんだよソレ、なんだよ、そうだよ。俺はお前の兄貴だよ、たった15分先に生まれただけの・・でもそれだけで・・・」このセリフに納得しました。
ちなみに、12月13日は「双子の日」記念日となっています。
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