式年遷宮で後世に伝わっていく宮大工の技術と知恵

つぶやき

式年遷宮とは伊勢神宮の式年造替のこと。
20年に一度、昇殿を始めとする殿舎などを
新たに作り替えて御神体に新宮へお還りいた
だくお祭りで、

第62回の遷宮祭は、平成17年から8年の
歳月をかけ、33のお祭りと行事が重ねて行
なわれ、平成25年10月にぶじ遷御
(せんぎょ)の儀を終えることができたそう
です。

このように、20年ごとに神様のお住まいの
社を造り替えることは、伊勢神宮に限ったこ
とではなく大きな神社では古より行われてお
り、春日大社では式年造替(しきねんぞうた
い)といいいます。

式年遷宮を20年ごととした祖先の知恵とは

20年ごとに御殿の修繕をするのだが、この
20年ごとには深い意味があり、これこそが
人を育てる知恵だというのです。

そんなに傷んでいないから、建て替えるのは
あと10年先でもいいだろう、
では駄目なのです。

なぜ20年ごとなのか、

それは人間の寿命に合わせて、決められたと
いうのです。

神社は普通の建物ではありません。日本全国
の何処かで、普通に建てられているものでは
ないのです。

宮大工といった特別な技量を身につけた大工
さんが古より伝わる技法でもって建てる、
特別な建物なのです。

初めて式年遷宮に携わることになった20代
の若者は、棟梁や先輩たちから技術と工法を
学んでいきます。

2回目に携わるのは40代の頃。
自分の下には、宮大工の技術を学ぶ後輩がお
り、自分の持っている技術、知恵を伝えてい
くと同時に、棟梁としての知恵や有り様を学
んでいきます

3回目に携わるのは、60代の頃。
棟梁として、すべてを取り仕切ります。

この流れが、30年ごとでは、
30代、60代、90代となって実質的には
2世代しか関わることができません。

40年ごとだでは、一世代も交わらないこと
になり、そのときに建物は造れても、その技
術や技法を後世に正しく伝えていくことはで
きません。

20年ごとに式年造替を行うというのは、
技術や技法を後世に伝えるためでもあり、
また、人材を育て上げる制度にほかならない
というのです。

日本人の素晴らしい人作りの知恵です

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