鏡餅の由来と意味!飾る正しい方法とは

鏡餅には、興味深い事実がたくさんあります。一体、鏡餅はなぜ鏡を模しているのでしょうか?そして、なぜお正月に欠かせない存在なのでしょうか?

日本の文化に深く根付いた美しい伝統であり、新年を迎える際に家庭に幸運を招き入れる象徴とされている鏡餅について、その起源と伝統、そして家庭にもたらす幸運について詳しく掘り下げていきます。

鏡餅の名前と由来

白い紙の上に、大きさの異なる2つの餅が重ねられ、その上には橙(だいだい)が乗せられますが、昆布、伊勢海老などが添えられることもあります。

これが鏡餅として知られ、お正月の祭りでは欠かせない供物です。

鏡餅の名前は、その形状が昔の丸い金属の鏡に由来しています。鏡は理想の心を反映し、魂を表現するものとされ、したがって鏡餅は神聖で浄化された餅とされています。

しかし、もともとは「飾り餅」から転化されたことばなのです。

鏡餅の起源は携帯食

鏡餅はもちろん米から作られますが、それが日本の農耕社会の成立と同時にあったかどうかは別の問題として、餅は携帯食として古くから知られてきました。

餅の名前は「持ちいひ」という言葉から始まり、2つのの餅を重ねて、その間におかずを挟み、現代のサンドウィッチのように食べられました。

鏡餅を重ねて 飾り餅にするのは、この習慣が後々まで残ったものと考えられます。

携帯食としての餅は後になると神の召すものと考えられるようになり、お祭りになくてはならないものになります。

お正月と鏡餅の役割

お正月は本来、神が降臨する期間であり、人々は精進を守ります。この時期でも餅の役割は重要です。

鏡餅を神に供えるためと、人々が正月の最初の3日間を労働を避けて過ごすための保存食としての役割があります。

鏡餅の下に引く葉っぱは何ですか?

正月に餅の下に敷かれる葉っぱは「ユズリ葉」と呼ばれます。

この習慣は生命再生儀礼に関連しており、広葉樹が秋に葉を散らす中で、ユズリ葉だけが枯れずに残ることから、新たな生命の始まりを象徴するものとされています。また、この伝統において、ユズリ葉は翌年に「子の葉」、翌々年には「孫の葉」が伸びるなど、新たな成長と生命の連綿という意味が込められています。

鏡餅の上にみかんをのせるのはなぜ?

鏡餅にみかんをのせる習慣は、その背後には橙(だいだい)という果物の特別な意義が存在します。橙は、ミカン科の木で、一般的にはあまり食べられないものの、その特徴的な「だいだい色」から広く知られています。また、橙の実は木から容易には落ちず、これから「代々」繁栄することを象徴し、縁起の良い果物とされています。このため、鏡餅に橙を飾る習慣が広く行われています。

鏡餅は、いつからいつまで飾るのですか?

鏡餅を飾る日付:
鏡餅を飾る際、早くても問題はありませんが、一般的に「大安の日」や「12月28日」が最適とされています。日本では「八」が末広がりの数字とされ、縁起が良いと信じられているため、これらの日に鏡餅を飾ることが多いです。

12月29日と31日には注意:
12月29日は「苦」の語呂合わせから縁起が悪いとされ、31日は「一夜飾り」と呼ばれ、お正月の神様をお迎えするには短すぎると考えられるため、鏡餅を飾らないほうが良いとされています。

鏡開きの日:
鏡餅は1月11日に下げて食べる風習があり、これを「鏡開き」と呼びます。この日に鏡餅を割ることで、神様が宿った餅を食べ、ご利益をいただくと信じられています。ただし、鏡開きの日は地域によって異なることがあります。

これらの慣習は日本の文化において、鏡餅を神聖なものとして扱い、縁起を担ぐための重要な要素となっています。

鏡開きと歯固め

鏡餅には、他に 歯固めという重要な 意味が含まれています。

歯は人が生きていくために非常に大切なものです。

健康な歯は、何でも食べられということを示し、健康を促進します。

そのため、新年の11日に歯の丈夫さを願って「鏡開き」という催しが行われます。

もともとは固い鏡餅を槌で砕く行事でしたが、「砕く」という言葉には縁起が悪い意味があるため、「開き」と呼ばれるようになりました。そして砕かれた餅は、雑煮やおしることいった料理にして食べるのです。

鏡開き他説は?

鏡開きの由来については確かではありませんが、昔、武士が出陣の際に、仲間たちを鼓舞するために酒樽を割ったと言われています。 清酒の樽のふたは伝統的にまるくて平らな形をしており、これを「鏡」と呼んでいます。このため、樽のふたを割って仲間と酒を共に飲む行為が「鏡開き」と呼ばれています。

「鏡開き」は日本の伝統的な祝い事やお祭りで行われる儀式の一部となりました。この行為は団結と協力の象徴として捉えられ、特別な機会や祝宴で重要な役割を果たしています。鏡開きは、武士文化の一部として始まったもので、今日では日本の文化や伝統に根付いています。

結婚式での鏡開き

結婚式で行う鏡開きとは、酒樽の蓋をお餅に見立てて、木槌で開封する演出のことです。 蓋の丸は夫婦円満を表現しており、開くには「二人で未来を開いていく」という意味が込められています。 つまり、結婚式で新郎新婦が鏡開きを行うことは、「夫婦円満」「子孫繁栄」を意味している縁起の良い演出といえるでしょう。

鏡餅はどこにどこに飾るのが正しいの?

神様が祭られている場所や厄払いの対象、大切な物品や道具などに、鏡餅が供えられます。

日本の信仰では、生活の中に神様が宿ると信じられており、多くの神様が存在するとされています。

これを「八百万の神」と呼び、神様への感謝と尊敬の意を示す文化が根付いています。

道具や台所などに鏡餅を供え、物品に感謝し、日本人独自の文化を表現する一環とされています。

近年、核家族化や住宅事情の変化から、神棚がない場合でも、鏡餅は玄関や居間などに飾られる傾向があります。

お年玉の原点は鏡餅だった!?

現在では「お年玉」と言えばポチ袋に入った現金のことを指しますが、過去にお年玉の役割を果たしていたのは鏡餅(丸餅)でした。

年末に家庭でお供えされる鏡餅は、1月11日に鏡開きをしてお雑煮やおしるこにして食べる習慣がありました。この儀式は、年神様が宿る鏡餅を食べることで、新年の運気や力を体に取り入れ、その一年の健康と豊作に願うものでした。鏡餅は、年神様を代表する家長によって家族に分け与えられ、この餅は「歳魂(としだま)」と呼ばれました。そのため、お年玉の由来は鏡餅に関連しています。

お金としてのお年玉は、江戸時代に始まり、昭和の高度経済成長期に一般的になりました。明治時代には、家庭によって丸餅が贈られたり、お金が贈られたりすることが行われていました。お年玉は時代とともに形を変えながら、日本の文化として根付いています。

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