[jinn]
「ご査収ください」の添え書きとともに送られてきた金銭、物品、書類など。
この「ご査収(ごさしゅう)ください」にはどんな意味が込められているのでしょうか。
なにか理由があるからこそ、「お受け取りください」とか「お送りします」とかのありきたりなことばを使わなかったのだと思います。
この記事では「ご査収ください」への返事はどう書くべきか、また、「ご査収ください」の意味、使い方についても文例を交えて解説します。
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目次
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ご査収くださいへの返事にここは外せない
では、「ご査収ください」といわれて金銭、物品、書類などを受け取った場合には、どのような返事をかえすのがよいのでしょうか。
たんに、「受け取りました。ありがとうございます」の返事をしたのでは、相手は満足するどころか不安に思うかもしれません。
- 金額は、確認してくれたのだろうか。
- 品物は、輸送中の事故もなく無事に届いたのだろうか。
- 書類は、内容に間違いないことを確認してもらえたのだろうか。
相手にとっては気になる、これら大事なことが、ただ「受け取りました」の返事だけではわかりません。
受け取ったことを伝えるのはもちろんですが、それ以上に大事なのが、
- 金額に間違いはなかった。
- 品物は無事に届いた。
- 書類の内容に間違いはなかった。
これら、相手の知りたいことを、ちゃんと送り主に伝えてあげることです。
これこそが、「ご査収ください」に対する正しい返事の書き方です。
ご査収くださいの返事によく使われる文例
送られてくるものにより、返事にふさわしい文面はいろいろあるでしょうが、
要は、受領したこととともに、相手が確認したいと思っているであろうことをちゃんと伝えてあげることです。
このことさえ、しっかり書かれてあれば相手は安心します。
たとえば、こんな書き方であればよいのです。
-
-
- 〇〇円確かに拝受しました。
- 割れ物で心配していましたが、何事もなく無事に届きました。
- 契約書を拝受しました。この契約条件でのお取引よろしくおねがいします。
-
なかには、
-
-
- 「早速のご対応ありがとうございました。確かに受領いたしました」
- 「資料を添付していただき、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」
- 「お見積りいただきありがとうございました。追ってご連絡致します」
-
などの例があります。
一見良さそうに見えますが、これでは単に「受領したこと」を伝えているに過ぎません。
「ご査収ください」への返事としてはふさわしくありません。
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ご査収くださいの意味とは
「ご」は尊敬語です。
「査」は「よく考え、調べる」こと
「収」は「おさめる」こと
でもって、「査収」とは、
「届いたものをこのまま受け取ってもいいものかどうか、よく考え、調べてから納得して自分の手におさめる」ということになります。
「ご査収ください」には、「金銭、物品、書類などの中身に間違いはないか、よくお調べのうえお納めください」という送りての気持ちが込められているのです。
あとになってから、「金額が不足していた、品物にキズがついていた、そんなこと書いてあるなんて知らなかった、気が付かなかった」の言い訳は通用しないです。
内容に納得できなければ、問題点を指摘して正しく訂正してもらわないといけません。
場合によっては、「これは受け取れない」と受取拒否することも必要です。
また、
-
-
- 「ご査収の程よろしくお願いいたします」
- 「ご査収いただきますよう、お願いいたします」
- 「ご査収いただければ幸いです」
-
などとも書かれますが、より丁寧な言い方になっているだけです。
ご査収ください の使い方
金銭、物品、書類など、相手にその内容をよくよく確認してほしいものを送るときは、送付案内には「ご査収ください」の文言を使います。
一般的には、相手からの要望にもとづいて送る場合とか、
お互いに確認し合う必要のある重要書類などを送る場合などに使います。
当然、よく確認してもらう必要のあるものが同封されていないといけませんから、
こちらから一方的に送りつけるような、たとえば不特定多数向けのダイレクトメールには用いません。
たいした書面、添付書類でもないのに、決まり文句だといって、「よろしくご査収ください」なんて書いていては、受けとる方は面くらいます。
「ご査収ください」の使い方を間違えて、あなたのビジネス感覚が疑われることのないようにしましょう。
「ご精査」と「ご査収」の違いってなに
「ご精査」という、「ご査収」によく似た言葉があります。
どちらも「しっかり調べてください」「詳しく調べてください」という意味がありますので、同じように思えますが、少し違います。
「ご精査」のほうは、「精」が「査」をより強調しています。普通の「しっかり、詳しく調べる」だけでは物足りなく、細部にいたるまで、ことこまかに調べる、という意味になります。
「精査を要する」「隅々まで精査する」という使い方で、「ご査収」と違い。「ご精査ください」には「受け取ってください」という意味は含まれていません。
お受取りくださいの意味
「見てもらえさえすれば良い」ものを送るときは「こんな書類送りましたので、お受け取りください」でいいんです。
ただ単に、「書面を送ったのでお受取り下さい」という軽い意味でしかありません。
わざわざ内容を詳しく確認してもらうまでもない書類だということでしょう。
開封後よく読まずに、くずかごへ「ぽいっ」しても問題ないかも?です。
でも、「ご査収ください」と書かれていたら、そんなわけにはいきません。
よく内容を確認して受け取りましょう。
送リ主も、そうしてもらいたいという気持ちを、「ご査収ください」という言葉にこめているわけです。
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まとめ
「ご査収ください」という言葉の意味は、「内容に間違いがないかどうかをよく確認したうえで、納得してお受け取りください」ということです。
ですから、
「ご査収ください」への返事には、受領したことはもちろんですが、
それよりも、送られてきた金銭、物品、書類などの中身をよく確認して正に受け取ったことを伝えないといけません。
言葉の意味をよく理解して、社会人としてのビジネスマナーを守りましょう。
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