「あ~もう!なんでこんなに固く結んだんだ」
先ほどから風呂敷包みと格闘しています。
「大体が、風呂敷の結び目を本結びにするのが間違っている。
蝶々結びにしておけば簡単にほどけるのに・・・」
横目で家内を見ながら、イヤミをいうのですが、家内は
いっこうに気にする様子もない。
私のイライラが頂点に達したころに、おもむろに一言
「あなたって、本結びのほどきかたを知らないんだ」
カチンときました。
「だったら、お前がさっさとほどけよ」
「いいわよ、ちょっとそこどいて」とこちらに背を向けて、一言「ヨイショ」
「はい ほどけたわよ」
いかにも、あっけなく終わってしまった。
私は「ふ~ん、そうか」としか言わなかった。
家内はといえば、いかにも「教えてあげようか」
といいたげである。
私も、内心はどんな手を使ったのか知りたい。
しかし、聞きたくもない。
だが、どうやったかは知りたい。
そして、私に隠れて家内がしたことがわかった。
こういうことだったんです。
知ってしまえば、簡単なことだったが、
何十年もの間知らなかった。
コメント