机下と侍史の読みと意味!どっちが上でどっちが下ってあるの?

先日ホームドクターから、大学病院の先生宛に紹介状を書いてもらいました。

紹介状の宛名の脇には「机下」と書かれています。

めったにお目にかかれない文字でしたので、いい機会だと思い病院受付事務の女性に聞いちゃいました。

  • 「机下」の読みって、なに
  • どんな意味?
  • どんなときに使うの?
  • なんで「〇〇先生」だけではダメなの?

じん兵衛は何でも平気でズケズケ聞いていきます。

まぁ、〇〇のおばはんほどの、ふてぶてしさ持ち合わせていませんが図々しく何でも聞いちゃいます。

机下」と同じように使われる、「侍史」ということがあることも教えてもらいましたので、

教えてもらったことに、自分でも調べたことも加えて「机下」や「侍史」についてご紹介します。

ちなみに、大学病院などの大病院へは、紹介状なしで診てもらいに行ってはダメです。

メッチャ高い初診料(5000円)を上乗せ請求されてしまいます。

紹介状を書いてもらう費用をはらってでも、紹介状をもっていくほうがお得です。

「机下」は(きか)と読みます

「御」を付けて「御机下」とすることもあるようですが、このときは、

ごきか)または(おんきか)と読みます。

どちらの読みかたでもいいのですが、一般的には、(ごきか)と読まれることが多いです。

ただ、「御」まで付けるのは、ちょっと大げさに敬意を表しすぎではないかと思ってしまいます。

ホームドクターは「机下」とかいてみえました。

名前の脇に「机下」とかく意味はなに

机下とは、国語辞典によれば、

机の下に差し出すの意で、
手紙のあて名に添えて書き、相手に敬意を表す語

とあります。

相手の名前を直接の宛て先とすることを失礼だとして、相手の机の下に差し出すという意味を込めた表現なんですね。

ちょっとへりくだっていると思いませんか。

「机下」なんて医学関係者が慣例で使う脇付け用語

「机下」は脇付けの一種なんですが、一般社会ではまず使いません。

医学、製薬業界など、一般世間から隔離された、仲間うちでのみ流通している語だと認識していればいいんです。

一般人は、「〇〇様」「〇〇先生」で十分ですから。

じん兵衛が、「じん兵衛様 机下」なんて手紙を受け取ったら、

「なにお慇懃無礼(いんぎんぶれい)な、じん兵衛をコバカにしているのか」なんて思っちゃいます。

ただし、医療関係の人が、仲間内の手紙などで「机下」「侍史」などの脇付けを書くのは常識です。

書いておかないと、非常識なやつだと思われかねないらしいです。

製薬会社の人だったら、医師へ出す書面には欠かせませんよね。

侍史について

「机下」の類語で「侍史(じし)」があります。

侍史とは、国語辞典によれば、

貴人のそばに仕える書記
手紙の脇付として記し、相手への敬意を表す語。直接はおそれ多いから侍史を経て差し上げる意。

とあります。

秘書がついているような偉い人には、秘書を通して手紙を渡してもらうということで、「侍史」と脇付けするんです。

とりあえずは、〇〇様の秘書の方に受け取ってもらうということです。

この際、実際に秘書がいるとか、いないとかは関係ないことなんです。

机下と侍史では、どっちが上でどっちが下

明確に区別した使い方があるわけでもないようですが、

語の意味から、

机下は、同僚など仲間うちで使い
侍史は、秘書がついている相手など、自分より上位の人に使う

という説もあります。

よりていねいだと、「御」をつけて「御侍史」とかきます。

(ごじし)あるいは(おんじし)と読みますが、(おんじし)のほうが一般的な読みです。

なお、封筒のあて名に「机下」あるいは「侍史」と書き添えたら、

手紙の後付に書くあて名の脇にも、「机下」あるいは「侍史」の脇付けをしないといけません。

後付けとは、結びの挨拶のあとに書かれる、日付・署名・宛名・脇付から成るものです。

机下あるいは侍史を書く位置

封筒への書き方
机下の宛名の脇付け位置
後付の書き方
机下の後付

脇付けの種類

一般:机下、座右、案下、座下、足下
目上:侍史、膝下、台下
女性:御前、みもとに

あて名が女性の場合に書く脇付けで、「みもとに」なんて言うのは風情があっていいですね。

相手への淡い心持ちが伝わるようです。

こういう「ことば」は残していきたいものです。

でも、ラインなどeメールには不似合いでしょうか?残念です。

まとめ

机下(きか)とは、
机の下に差し出すの意で、
手紙のあて名に添えて書き、相手に敬意を表す語

侍史(じし)とは、
貴人のそばに仕える書紀
手紙の脇付として記し、相手への敬意を表す語。直接はおそれ多いから侍史を経て差し上げる意。

どちらも、あて名の脇に書き添える、脇付けと呼ばれるものです。

主に、医療関係者の間で多用されており、一般社会で使われることはまれです。

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