厄年に「周りが不幸になる」「家族に悪いことが起きる」と聞くと、気になってしまいますよね。身近な人の病気や事故が重なると、自分のせいではと不安になることもあります。
この記事では、その噂をどう受け止めればよいのか、考えすぎないための向き合い方をやさしく整理します。
厄年に周りが不幸になるって本当?
まず最初に、いちばん気になるところからお話しします。厄年の人が、周りの人や家族を不幸にするという明確な根拠はありません。
家族に不幸が起きても「自分の厄年のせい」と決めつけなくていい
自分が厄年のときに、親が病気になったり、配偶者がけがをしたり、子どものことで心配ごとが続いたりすると、「もしかして自分の厄年が関係しているのでは」と思ってしまうことがあります。
ですが、家族に起きた不幸を、自分の厄年のせいだと決めつける必要はありません。病気やけが、仕事の不調、人間関係の悩みには、それぞれ現実的な理由があることがほとんどです。
もちろん、不安になる気持ちは自然です。大切な人に悪いことが続けば、誰でも理由を探したくなります。ただ、その理由をすべて「厄年」に結びつけてしまうと、必要以上に自分を責めてしまいます。
「周りが不幸になる」というより、悪い出来事が印象に残りやすい
厄年に不幸が起きたように感じる理由のひとつは、悪い出来事ほど強く記憶に残りやすいからです。
何も起きなかった日や、いつも通りに過ごせた日は、あまり記憶に残りません。ところが、家族の体調不良、事故、仕事の失敗、金銭トラブルなどは、強く印象に残ります。
そのあとで「そういえば、あの年は厄年だった」と気づくと、厄年と不幸がつながって見えてしまうのです。
これは、人の心の自然な動きです。悪いことが続くと、何か原因を探したくなります。そのときに「厄年」という言葉があると、そこに理由を見つけたような気持ちになるのですね。
厄年は「不幸を呼ぶ年」ではなく「気をつける節目」
厄年という言葉には、どうしても怖い印象があります。けれども、厄年を「悪いことが起きる年」と決めつけるより、「いつもより無理をしない節目」と考えるほうが穏やかです。
年齢を重ねると、体調や生活環境、人間関係、家族の状況が少しずつ変わっていきます。そうした変化に気づき、無理をしすぎないようにする。厄年は、そのための目印として受け止めるとよいでしょう。
じんさんとしては、厄年を怖がるよりも、「そろそろ暮らしを整える時期ですよ」と教えてくれる合図くらいに考えるのが、ちょうどよいと思っています。
なぜ「厄年は周りの人に影響する」と言われるのか
根拠がはっきりしない話でも、昔から言われ続けていると気になりますよね。ここでは、「周りが不幸になる」と感じられやすい理由を、落ち着いて見ていきます。
本人だけでなく家族も変化しやすい時期と重なる
厄年とされる年齢は、本人にとっても家族にとっても、生活の変化が出やすい時期と重なることがあります。
仕事では責任が増え、家庭では子育てや住宅ローン、親の介護、夫婦関係の変化などが重なることもあります。本人だけでなく、家族全体に負担がかかりやすい時期でもあります。
そのため、家族の不調やトラブルが起きたときに、「厄年だから周りにも影響したのでは」と感じやすくなるのです。
ただし、これは厄が家族に移ったという意味ではありません。生活の変化や疲れが重なり、家族全体に影響が出ることがある、という現実的な見方をしたほうがよいでしょう。
不安な気持ちが出来事を結びつけやすくする
人は、不安なときほど出来事と出来事を結びつけやすくなります。
たとえば、自分が厄年だと知ったあとに家族が体調を崩すと、「やっぱり厄年だからだ」と思ってしまうことがあります。けれども、同じ出来事が厄年ではない年に起きていたら、別の理由を考えていたかもしれません。
つまり、厄年を強く意識していると、普段なら偶然と思えることまで、厄年と関係があるように感じやすくなるのです。
昔からの言い伝えが不安を大きくすることもある
厄年に関する話は、地域や家庭によってさまざまです。「厄年は本人だけでなく家族にも影響する」「厄払いをしないと周りに迷惑がかかる」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
昔からの言い伝えには、暮らしを慎重にするための知恵が含まれていることもあります。一方で、受け取り方によっては不安を大きくしてしまうこともあります。
言い伝えを大切にすることは悪いことではありません。ただし、それによって自分や家族を怖がらせすぎてしまうなら、少し距離を置いて考えることも大切です。
前厄・本厄・後厄で周りへの影響は変わる?
厄年といえば本厄だけを気にする人もいますが、前厄や後厄まで気になる人も少なくありません。ここでは、それぞれの時期をどう受け止めればよいかを整理します。
前厄に家族の不幸があると不安になりやすい
前厄は、本厄の前の年とされる時期です。この時期に家族の病気やけが、仕事上のトラブルなどが起きると、「もう厄が始まっているのでは」と不安になることがあります。
しかし、前厄だから家族に不幸が起きると決まっているわけではありません。前厄という言葉を知っているからこそ、出来事をそこに結びつけて考えやすくなる面もあります。
前厄は、怖がる年というより、少しずつ生活を整え始める年と考えるとよいでしょう。健康診断を受ける、無理な予定を減らす、家族の様子を気にかける。そうした小さな見直しで十分です。
本厄だから必ず悪いことが起きるわけではない
本厄と聞くと、いちばん怖い時期のように感じるかもしれません。けれども、本厄だから必ず悪いことが起きるわけではありません。
実際には、本厄の年を何事もなく過ごす人もたくさんいます。反対に、厄年ではない年に大きなトラブルが起きることもあります。
大切なのは、「本厄だから悪いことが起きる」と考えることではなく、「本厄だからこそ、少し慎重に過ごそう」と考えることです。
後厄も怖がりすぎず、整える期間と考える
後厄は、本厄のあとの年とされます。「本厄が終わってもまだ油断できないのでは」と気になる人もいるでしょう。
けれども、後厄も必要以上に怖がる必要はありません。前厄・本厄・後厄を合わせた期間を、生活や体調を見直す数年間として考えると、重く受け止めすぎずにすみます。
厄年の期間を「不幸が続く時期」と見るのではなく、「これからの暮らしを整える期間」と見る。そう考えると、気持ちもだいぶ落ち着きます。
厄年の人と一緒にいると厄が移る?
「厄年の人と一緒にいると厄が移るのでは」と心配する人もいます。しかし、そのように考えすぎる必要はありません。
厄年の人と会っても不幸になるわけではない
厄年の人と会ったからといって、自分が不幸になるわけではありません。家族や友人、職場の人が厄年だったとしても、それだけで避ける必要はありません。
むしろ、厄年を気にしている人に対して「近づくと悪いことが起きそう」といった態度を取ると、相手を傷つけてしまいます。
厄年は、人との距離を置くためのものではありません。本人が無理をしすぎないよう、周りも穏やかに見守るくらいでよいでしょう。
厄払いで厄が家族に移るわけではない
「厄払いをすると、払った厄が家族や周りの人に移るのでは」と不安になる人もいます。ですが、厄払いは誰かに厄を押しつけるものではありません。
厄払いは、これからを無事に過ごせるよう祈り、気持ちを整えるためのものです。家族に厄が移るのではと怖がる必要はありません。
どうしても気になる場合は、厄払いを受ける予定の神社やお寺で聞いてみると安心です。地域や寺社によって考え方や作法が違うこともありますので、直接確認するのがいちばん確実です。
家族で一緒に参拝しても大丈夫
厄年の本人だけでなく、家族で一緒に参拝しても問題ありません。本人の厄払いに家族が付き添うこともありますし、家族の健康や安全を一緒に願う人もいます。
家族全員が必ず祈祷を受けなければならないわけではありません。本人だけが受ける場合もあれば、家族でお参りだけする場合もあります。
大事なのは、「やらないと不幸になる」と考えることではありません。「安心して過ごすために、できることをする」と考えることです。
家族に不幸が続いたときの考え方
家族に悪いことが続くと、厄年が関係しているのではと不安になるものです。そんなときこそ、少し落ち着いて、現実的な原因と心の整理を分けて考えることが大切です。
まずは病気・事故・生活環境など現実的な原因を見る
家族に不調が続いたときは、まず現実的な原因を確認しましょう。
親が転びやすくなったなら、家の中の段差や照明、履物、足腰の衰えが関係しているかもしれません。体調不良が続くなら、疲れや睡眠不足、持病、生活習慣が関係していることもあります。
仕事や人間関係のトラブルなら、職場環境やストレスが原因になっていることもあります。
厄年という言葉だけで片づけてしまうと、本当に必要な対策を見落としてしまうことがあります。まずは、目の前の出来事に対してできることを考えるのが大切です。
自分のせいだと背負い込みすぎない
家族に不幸が続くと、やさしい人ほど「自分のせいかもしれない」と考えてしまいます。特に、自分が厄年だと知っていると、その気持ちは強くなりやすいです。
けれども、家族に起きたことをすべて自分の責任のように背負い込む必要はありません。病気や事故、不運な出来事は、誰の人生にも起こり得ます。
じんさんも長く生きてきて思うのですが、悪いことが重なる時期というのは、たしかにあります。ただ、それをあとから振り返ると、厄年というよりも、家族それぞれの年齢や生活の変化が重なっていたのだと感じることも多いものです。
不安が強いなら、厄払いを心の区切りにする
頭では「厄年のせいではない」とわかっていても、気持ちが落ち着かないことはあります。そんなときは、厄払いを受けるのもひとつの方法です。
厄払いを受けたから、絶対に悪いことが起きないというものではありません。けれども、「できることはした」と思えるだけで、心が少し軽くなることがあります。
不安を抱えたまま過ごすより、神社やお寺で手を合わせて、家族の健康や無事を願う。それだけでも、気持ちを整えるきっかけになります。
厄払いを受けるべきか迷っている方は、厄年に厄払いをしないとどうなる?の記事で、行かない人の考え方や不安なときの対処法も確認できます。
厄年に周りを不幸にしないためにできることはある?
「周りを不幸にしたくない」と思う人ほど、心配が大きくなりがちです。ただ、厄を移さないための特別な行動を探すより、日々の暮らしを丁寧に整えることのほうが大切です。
無理をしすぎない
厄年の時期は、仕事や家庭で責任が重なりやすいことがあります。自分では大丈夫と思っていても、疲れがたまると、家族への言葉がきつくなったり、注意力が落ちたりすることもあります。
そういう意味では、厄年に気をつけたいのは「厄が周りに移ること」ではなく、「自分の無理が周りに影響すること」です。
休む、相談する、予定を詰め込みすぎない。こうした当たり前のことが、結果として自分にも家族にもやさしい過ごし方になります。
健康診断や生活習慣の見直しをする
厄年をきっかけに、健康診断を受けたり、生活習慣を見直したりするのもよい方法です。
睡眠、食事、運動、飲酒、ストレス。こうしたものは、自分の体だけでなく、家族との暮らしにも関係します。自分が元気でいることは、家族にとっても安心材料になります。
厄年を怖がるだけで終わらせず、「自分の体を見直す年」と考えると、前向きに過ごしやすくなります。
家族と穏やかに話す時間を作る
不安をひとりで抱え込むと、気持ちがどんどん大きくなってしまいます。家族に「自分の厄年のせいで不幸になるかも」と重く話す必要はありませんが、最近の体調や困りごとを穏やかに話す時間は大切です。
家族の疲れや不調は、ふだんの会話の中で気づくこともあります。親の様子、配偶者の疲れ、子どもの変化など、小さなサインに気づけると、早めの対策にもつながります。
厄年を、家族を怖がらせる言葉ではなく、家族を気にかけるきっかけにする。そう考えると、ずいぶん穏やかに受け止められます。
厄年を考えすぎないための受け止め方
厄年は、気にしすぎても疲れますし、まったく無視しても不安が残ることがあります。ほどよい距離感で受け止めることが大切です。
「怖い年」ではなく「整える年」と考える
厄年を「怖い年」と考えると、何かあるたびに不安になります。小さな失敗や家族の不調まで、すべて厄年のせいに見えてしまいます。
一方で、「整える年」と考えると、受け止め方が変わります。健康を整える。暮らしを整える。家族との関係を整える。無理な働き方を見直す。
そう考えれば、厄年はただ怖いものではなく、これからを穏やかに過ごすための節目になります。
信じる・信じないより、振り回されないことが大切
厄年を信じるか信じないかは、人それぞれです。昔からの風習として大切にする人もいれば、迷信として気にしない人もいます。
どちらであっても、大切なのは振り回されすぎないことです。
信じるなら、厄払いを受けたり、生活を見直したりして、安心につなげる。信じないなら、怖い噂に引きずられすぎず、現実的な対策を大切にする。
自分が落ち着いて過ごせる受け止め方を選べばよいのです。
厄年を家族への思いやりに変える
「自分の厄年で家族に不幸が起きるのでは」と心配する人は、それだけ家族を大切に思っている人でもあります。
その気持ちを、自分を責める方向ではなく、家族を気にかける方向に使ってみてください。
親に電話をする。家族の体調を聞く。無理をしていないか声をかける。家の中の危ない場所を見直す。そうした小さな行動のほうが、厄年を怖がるよりもずっと現実的です。
厄年を「不幸が来る年」と考えるのではなく、「大切な人を見直す年」と考える。じんさんは、それくらいの受け止め方がよいと思います。
厄年と周りの不幸に関するよくある質問
最後に、厄年と家族・周りの人への影響について、よくある疑問をまとめます。短く確認したい方は、ここだけでも参考にしてください。
厄年の人がいると家族に不幸が起きますか?
厄年の人がいるから家族に不幸が起きる、とは考えなくて大丈夫です。厄年の人が家族を不幸にするという明確な根拠はありません。家族に何かあった場合も、まずは現実的な原因や対策を考えることが大切です。
前厄に家族の不幸が続くのは厄の影響ですか?
前厄の時期に家族の不幸が続くと、不安になるのは自然です。ただし、それを前厄の影響だと断定することはできません。偶然時期が重なった可能性もありますし、家族それぞれの年齢や生活環境の変化が関係していることもあります。
厄払いをしないと周りの人に厄が行きますか?
厄払いをしなかったから周りの人に厄が行く、という根拠はありません。厄払いは、誰かに厄を移さないためというより、自分の不安をやわらげ、無事を願うためのものとして考えるとよいでしょう。
家族も一緒に厄払いを受けたほうがいいですか?
必ず家族全員で受けなければならないわけではありません。本人だけが受けてもよいですし、家族で健康祈願として一緒に参拝してもよいでしょう。不安が強い場合は、行く予定の神社やお寺に確認すると安心です。
厄年の人と会うと不幸になりますか?
厄年の人と会ったからといって、不幸になるわけではありません。厄年の人を避ける必要はありませんし、相手を不安にさせるような言い方も避けたいところです。
不幸が続いたら厄払いをしたほうがいいですか?
不安が強いなら、厄払いを受けるのもひとつの方法です。ただし、厄払いだけでなく、病気なら受診する、事故なら環境を見直す、疲れなら休むなど、現実的な対策もあわせて考えることが大切です。
まとめ
厄年に周りが不幸になる、家族に悪いことが起きるという話に、はっきりした根拠はありません。家族に不幸が続いたとしても、それを自分の厄年のせいだと決めつけなくて大丈夫です。
ただ、厄年とされる時期は、本人や家族の生活が変わりやすい年齢と重なることがあります。そのため、悪い出来事が起きたときに、厄年と結びつけて考えやすくなるのです。
不安があるなら、厄払いを受けたり、家族で健康祈願をしたりするのもよいでしょう。けれども、それは「やらないと不幸になるから」ではなく、「心を整えて安心して過ごすため」と考えるのが自然です。
厄年は、怖がるための年ではありません。健康、暮らし、家族との関係を見直す節目として、無理をせず穏やかに過ごしていきましょう。

